●学園長のひとり言  


平成14年1月5日

*(毎週月曜日更新)
いつも遅れてすみません

                  あけましておめでとうございます

「おじいちゃん!おじいちゃんの孫が歌ってるのよ!」
「ああ、そうかい。あの綺麗な女の子がみーちゃん?ああ、そうか…」

テレビに映しだされた孫の姿と、初めて聞く孫の本格的なアカペラに、ビックリした顔をして見いっていた父。そんな父を何とか今年も無事に元気で新しい年を迎えてくれたと、母や兄達夫婦がホットした表情で眺めていた今年のお正月。

「みーちゃんがこんなに穏やかに幸福そうに好きな歌のお仕事に打ち込めるのも、ご主人の俊さんのおかげです。ありがとうございます。お2人で仲良く元気でいてください。それが私達の心からの願いです。」姉が撮るビデオ・レターに正座した母が嬉しそうに何回も御辞儀をしている。そして「おじいちゃん!孫夫婦に一言お願いします。」と促されて父が「とても綺麗で嬉しかったです。」これまた緊張と嬉しさとゴチャマゼの表情でペコンと御辞儀をしていたお正月。我が家のお正月はこうして静かに過ぎていった。

1月4日の仕事始め。朝から今年もバタバタと騒々しく仕事が始まった。

上田学園では昨年からの続きの「基礎学習」の充実。「株」の授業開始。そして、生徒達としっかり話し合って基礎英語に力をいれていく予定だ。また伊藤先生の授業では、本格的に「学生達が考えた海外への修学旅行・卒業旅行」を学校や学校のクラブに提案し、営業をしていく予定だ。その為に情報を集め、企画書を書き、パンフレットのデザインをし、営業をし、と山ほどやらなければいけないことがある。

燃えている(?)最近の学生達は、休みなどにも集まって色々やっているようだ。そんな彼等のパンフレトの下書きを見て伊藤先生が思わず「いいの作っているな…、こういうのは若い感性でしか作れないんだよな…。プロの旅行業者には作れないよな…、他の先生の授業の成果が出てるよね。」と感心して見入っていた。

英語は昨年から“いい英語の先生”を探すのにとても苦労している。外国人の英語の先生はたくさんいるが、素敵な外国人の優れた英語の先生がいないのだ。 生徒達は外国人の先生であれば誰でもいいと思っているようだが「その方が日本人だったら教えてもらいたい?」と質問したくなるような外国人が多いのだ。

生徒達には外国人だろうが日本人だろうが、公平に人を判断する力を養ってもらいたいと願っているのだが…。これも上田学園の一つの課題だと思うのだが。

どちらにしても、今年の英語は基礎英語。中学英語を徹底的に勉強して、それが終わったら絶対したい授業が英語で数学を勉強するとか、英語で科学を学ぶとか、そういう授業だ。それには中学校の英語力が必要なのだ。中学校の英語が出来ていれば、それを道具として科学でも何でも勉強できるからだ。その為に生徒達と徹底的に話し合うつもりだ。“中学英語なんか易し過ぎる"と勘違いしている学生達と。

上田学園をアメリカンスクールにするつもりは全くない。だか、やれる授業は何語でやってもいいと思っている。いいと思えることは何でも取り入れていくつもりだ。そのために色々な人達と出会える土壌を、私の中に持っていないといけないと考えている。

素敵な人達と出会えることで、上田学園に色々な先生達が誕生する。その先生方の存在が学生達に大きな影響を与え、色々な道を自由に伸び伸びと選択できるスケールの大きい人間に育ててくれるものと、信じている。

2002年、私の夢は毎日毎日膨らんでいく。

日本語では昨年から渡辺先生に愛媛県から毎回上京して頂いて「絵教材」を作っている。
彼女とは8年位前、彼女の留学先であった英国ブライトンで毎年行っていた「日本語教師養成コース」の受講生と担当教師として出会い「なんて楽しくて心のきれいな方なのだろうか」と彼女のユーモアのセンスと、心遣い、頭の回転の速さに感心し、大好きになり、彼女の教師としての資質の素晴らしさに驚嘆し、教師としてどんなに成長していくのかと楽しみにしていた受講生だった。

今、彼女はその時の印象以上の仕事をしてくれている。
私の指示した以上の仕上がりで仕上げてくる素晴らしい日本語教材に毎回興奮し、誘発され、次から次へとアイディアが浮かび、時間の経つのも忘れて打ち合わせをしてしまう。

渡辺先生との第一段階目の仕事がもうすぐ終わる。それを本にしようと考えている。 レッツの先生方がそれを首を長くして待っている。

卒業生の一人は今年からタイに留学する予定だ。その準備も始まった。昨年の末から、体調のあまり良くない彼を心配して「タイの留学大丈夫なの?留学延ばす?」という私に「大丈夫です。宜しくお願いします。」という彼の顔は、今までの彼の顔でも話し方でもない。もっと真剣な顔だ。やっと前進出来る何かをみつけたのだろう。思わず「頑張れ!」と応援したくなる。

1月8日から伊藤先生が150名のビジネスマンをつれてヨーロッパの展示会に買い付けに行く。そのアシスタントとして生徒の一人が先生に同行する。その経験を自分達の旅行の授業に生かすために。

先生と打ち合わせしている彼の顔は、今までに見たこともないような緊張した、だがキリットした素敵な顔をしていた。彼の言葉も明確で普段の彼ではなかった。そこにいたのは一人の素敵な若者だった。

嬉しかった。思わず「素敵だね」って言ってあげたかった。例え、それが先生の事務所の中にいた数時間の間だけであっても。これからはそんな顔が時々出てくるのだろう。そうしながら成長していくのだろう。

「君も素敵だったよ!」て言ってあげたかった学生がいた。

暮れの30日。打ち合わせ後、気功の先生と食事がしたくてレストランを探した。「掃除のため先生御免ね。今日は早仕舞い!」と食事するところがなかった。この辺りで開いている居酒屋。そこは学生の一人がアルバイトをしている所だった。

「彼もやる時はやるじゃないか?」思わず気功の先生から感嘆の声があがった。

丁寧な言葉でキビキビとオーダーをとり、お皿を運び、その合い間に洗い物をする。オーナーの小母さんに注意されると素直にそれに従う。そこにはいつものグータラな彼は居なかった。素直な何とも頼もしい青年がいた。

「先生、お疲れ様でした。来年も宜しく!」と乾杯した私達の心の中は、何とも嬉しい気持で、下を向いて洗い物をしている彼の方に向かって思わず「乾杯!」と言いたくなった。先生達とうなずきあい「奴は素敵だね!」と無言でジョッキーを彼のほうに向けて、乾杯をした。

2002年。嬉しい予感がずっと続いている。それが実現するよう行動するつもりだ。納得した2002年を生きていきたいから。

年賀状は1年に一回、色々な方の近況報告をしてくれる。頭の先から足のつま先までどっぷりと日本人だったレッツの先生が、お人形のようなお嬢さんを抱いて、頭から足のつま先まで外人の奥さんになってお手紙を下さった。

時間の経つのは早い。生活の変化も人間としての生き様も毎日のように変化をしている。それが生きているということだろう。その中で上田学園の子供達はどんなに変化していくのか、本当に楽しみだ。

園長の独りごと。今年もとりとめのないことを色々書かせて頂きます。その中で学生も私達もどう成長をとげ、発展していくのかを見守って頂きたいと思います。今年も上田学園を宜しくお願い致します。

皆様にとっても今年が良い年になりますよう、心からお祈り致しております。

 

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