●学園長のひとり言  

平成15年12月30日*

(毎週火曜日)

今年もお世話になりました!

松の枝と一緒に赤と黄色の南天が茶色の花瓶に活けられた教室。お正月の門松も飾り終え、コーヒーで東京に居る学生達と乾杯する「お疲れ様!」と。

今年も無事終わったことにホットすると同時に、事務所兼教室を眺める。
こんなに広い場所。門松を立てる門もある。ビルの4階の小さな事務所に居たのが1年前とは思えない程、ここに馴染み、ここが「私達のいる場所」と自然に思える。そしてそこに大家さんの御家族と大家さんのおばあちゃまも入っている。なんだかみんな私達の大切な家族のように。

口数は少ないが、私達を自然に受け入れて下さることが分かる大家さんのご主人。二人のお子さん達とケーキを焼いて差し入れて下さったり、学生達の刻々変化する変化を我がことのように喜んで下さる大家さんの奥さん。そしてケアハウスから帰っていらっしゃるたびに「いいお子さん達ですね」と上田学園の生徒たちを愛でて下さるおばあちゃま。

上田学園の前を通り「何の学校ですか?いつも楽しそうですね」と声をかけて下さったり、学園の掲示板を立ち止まって読んで下さる方々。そして賑やかな学校に嫌な顔もしないで、見守って下さるご近所の皆様。こんな素敵な環境で学生達はのびのびと学生生活を謳歌している。

哀しいこと苦しいこと、生きていることを実感させられることがたくさんあった1年間は、あっという間に過ぎる。でも嬉しいこともたくさんあった1年だった。

家族の待っている福島に帰った大ちゃんはきっと元気に友達とカラオケ三昧をしているだろう。卒業生を訪ねて愛知県に行っているチバナはきっと先輩の野呂田君と一晩中語り明かしているだろう。ゲーム選手権で大忙しの藤ちゃんは今日もきっとゲーム競技で大汗かいているだろう。そして卒業生のタッチや野原先生と一晩中カラオケで声を嗄らし、会社に行かなければならないタッチと野原先生以外全員でナルチェリンの家でゴロ寝をして「くたびれた!」と言いながら、お正月の飾りつけの手伝いに来た吉祥寺居残り組み。

お正月の準備を終え、将来自分の会社を設立し、男性専門のファッションブランドを持ちたいと、英国のファッション大学に留学するために上田学園に英語の勉強に来ている高校3年生の高橋君を交えて「オッちゃんのファッション大作戦」を決行。全員でオッちゃんのメガネや洋服を見立て、頭のてっぺんから足の先まで大改造。その後疲れて先に帰った学生も呼び出して、またまた卒業生のタッチも入れて皆で飲みに行ったとか。22歳と25歳の「飲み屋初体験」に思わず「不良できてよかったね」と大拍手。彼らにとって来年の成長を予感させてくれる大事件。思わず「家でお赤飯が炊いてあった?」と聞いてしまった。

今年も本当に色々なことがあり、そのどれもが全部上田学園の歴史として残っていくことだろう。それと同じように、一日一日を大切にしながら学生達の未来のための貴重な過去を、皆様のお力を拝借しながら来年も学生達と一緒に作っていきたいと考えている。


「お世話になった方々、学生達に大きな影響を与え続けて下さった先生たち、上田学園に子供達を託してくださっている親御さん達。本当に1年間お世話になりました。皆様のお陰で学生達も上田学園も元気に成長させて頂いております。来年も一生懸命頑張りますので、学生ともども宜しくお願い申し上げます」

 

 

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