●学園長のひとり言
平成22年1月7日

迎   春

新年明けましておめでとうございます。
今年も昨年同様、宜しくお願い致します。

新しい年が明けました。今年はどんな年になるのでしょうか?不安と期待。どちらにしても今日という日は今日が初めての日であるように、今年は世界中の人にとっても心強いことに、勿論初めての年。しかし、昨年までの過去の体験、経験を知恵にしてすごすことの出来るという有難い事実。その事実を大切に、今年の基になる毎日を大切に過ごしていきたいと考えております。

昨年は学生達にとってどんな年だったのでしょうか。私から見ていて「ああ、もったいない!」「目を開けて!」「そんなところで見栄を張らない!」「時間が無駄!」「もっと出来るのに!」「もっと頑張って!」など等、学生からすると「母親じゃあるまいし」と、煩がれそうな感想を持ちました。が、前進していないかというと、有難いことに前進したり後退したりしながらも、ほんの少し前進しているようです。

学生達自身はどう自分の昨年を振り返っているのでしょうか。

私自身は去年ほど擬似親体験と一般学校の擬似教師(日本語教師以外の意味で)体験をした年はなかったと思うほど、例年になく「学歴とは」「学力とは」「資格とは」「勉強が出来るということは」「100点を取るということは」「モンスターペアレンツとは」「家庭とは」「親とは」「教師とは」「年齢とは」「チャンスを生かさないとは」等など、今まで以上に考えさせられることばかりでした。

その中で、人の意見を聞き、人の生き様を見、人の行動を見て学ぶことの大切さを、それまで以上に、心の底の底から大切だと感じさせられることがたくさんありました。それを通して、上田学園の学生には「人との出会いの大切さ」を心から理解して欲しい。その出会いをチャンスとし、いかに有効に活用できる人間になれるかを学んで欲しいと、つくづく思いました。

「人との出会い」を有効に活用するということは、人を利用することでは決してありません。出会えた運に感謝し、「環境が違うから俺にはそんなこと無理!」ではなく、自分もそうなろうと努力することだと思います。その努力をすることで、出会えた人たちがただ出会えただけではなく、自分を応援してくれ、その応援力で精神面、行動面、知識面など、自分だけでは不足しているものが補われ、明日の知恵になる過去ではなく、ヘドロや汚物に足をとられ、前進することを阻む過去から抜け出せるきっかけになると思えるからです。

前進することを拒む過去から抜け出すチャンスは誰にでもあるはずです。それも、自分の心一つで実行することが出来るのです。一人では難しいときは、他の人の手を借りながら今までの人生は変えられますし、変えていいのだという事実。それが、どんな苦労をしてでも人間として生きる醍醐味の一つだと思います。そう信じています。

今年の上田学園の目標は個々によって違いますが、共通目標としては、素直に自分を見つめ、素直に人の話が聞ける人間になる努力をすることにしたいと思います。そのために、今まで以上に皆で協力し、努力をしていこうと考えております。

例年通り、今年も1月12日から上田学園の学生が、カーテン・カーペットの買い付けをする商社の方々を御案内して、旅行の伊藤先生や先生の会社の方々の添乗員アシスタントとしてドイツの展示会へ出かけて行きます。

英語もドイツ語も出来ない学生たちですが、上田学園の卒業生達同様、添乗員アシスタントとしていくつかのホテルに宿泊しているお客様の間を駆けずり回って、展示会場や空港への送り迎え。フランクフルト駅等へ御案内したり、切符を買いにいったりと、先生から指示される仕事をしながら、異なる企業の買い付け担当者の方々との出会いの中で、色々なことを見聞きしてくるはずです。その経験が彼らに何かを感じさせ、無意識に前進するきっかけになる。そんな影響が与えられることを願いながら、添乗員アシスタントとしての準備を始めた学生達が無事に出発し、無事に帰国することを楽しみに見守っているところです。

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