書き手 成瀬

24日

また今日もトレッキングでたくさん歩いた。


ナオミというロンドンから一人で来た女の人と仲良くなった。日本人みたいな名前のわりに日本とは何の関係もないらしい。
大学が終わって、1年間海外を旅行しているそうだ。
オーストラリアからジョーダンと二人で来た20歳のジャスティンも、スコットランドから一人でやって来た18歳のグレンも、みんなそんな感じの、長期の旅行だった。
グレンはハンサムで、俺と荻原まんの中で密かに「ロード・オブ・ザ・リング」というあだ名がついていた。女の子の方から自然と寄って来るようなやつだった。

 

夕ごはんのとき、グレンに日本語を教えたら、おもしろかった。
でも、夜は基本的にまた、みんなとあんまり話せなくてさみしかった。
1対1か2ぐらいならなんとか会話できるが、みんなが集まって酒飲んで騒いでるときは、全く会話に入れない。話してる内容はなんとかぼんやりとわかるけど。みんな、特に男達はやたらに「ファッキン!」という言葉を連発していた。

この日一番の思い出は、滝で遊んでいて、参加者唯一の中年の女性、ロンドンから来たルーシーと一緒に急流に流されて、岩の上をグリングリン回って転げ落ちたことだ。
死ぬかと思ったけど、ホントにかすり傷一つで済んで驚いた。

 

 

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