タイツアー下見行程

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さあ。タイに向けての出発です。タイツアーのリーダーである成瀬(ナル)を筆頭に知花(自分)と小高(オッちゃん)が、このツアーのメンバーです。その他に海外が初めてという事で藤田(フジ茶)と白井(大)が観光気分で付いてくることになり、合計5人の旅が始まりました。

と言うより始まる前が大変でした。タイに下見に行くと事は大分前から決まってはいたものの正確な日取りを決めていませんでした。その最中、ナルが某旅行会社の格安航空券を見つけてきて、その航空券を使って行こう。という事になり、慌てて下見の準備に取り掛かりました。出発まで10日もありませんでした。その航空券は先着何名様という代物で買うには早起きしてお店に並ばなければいけないやつで、前日に「さあ誰が並ぼうか?」と話していた時に、ふと自分が気付きました。「ナル、今さらだけどタイの人達と会う約束ちゃんとしてあるんだよね?」との問いにナルが「いや、してないよ」!!!!!!ナヌっ!!していない。自分が「えっ。それどういう事!」から始まって。この下見の目的を再確認する話し合いが永延1時間続きました。この下見の目的がメンバーによって本当にバラバラで、しかもリーダーのナルが一番分かってなかった。あの時は本当に恐かった。「どうなるんだこの下見は」ってな感じで。ナルの感覚だと「行けばどうにかなるだろう」というものだった。「どうにもなんねーよ!」とナルを説得して、やつの石頭を納得させるのには本当に苦労した。あの1時間はホント頑張った。偉いぞ俺。なんかかんやでどうにか目的意識を共有出来ました。まず1番目ににタイの人たちの話し合い、2番目に現地のレストラン、ショッピング、観光地のなどを調べようと決めました。航空券を買う前日に気付いて良かった。もし買っていたら、今頃どうなっていたか。怖ぇ〜。

タイとの話し合いの日程の調整が出来て、さあ今度こそ行こうと航空券を伊藤先生に頼んで取ってもらいました。がしかし、またしても問題が・・・大がチケットを頼む直前になって「俺行かねー」と言い出した。学園全体で「またかー。と溜め息をついて」取り合えず大の事はほっといて、確実に行くメンバーのチケットを頼みました。その後、学園全体で大を説得開始。「お前行けよー」と全員から言われても「俺は行かねー」の一点張り。仕舞いには「ちーさんが怖いから行きたくない」とまで言い出してきた。まー確かに自分が怖いのは事実だろうけど。「それだけじゃねーだろオメぇー」などなど。でも結局、上田先生の説得には耐え切れず。本当に渋々行く事になった。

どうにかこうにか、ようやく出発の朝を迎えた。フジ茶以外のメンバーは吉祥寺からバスで成田空港まで一緒に行くことになりました。待ち合わせの時間までには全員集まっており、取り合えず無事に吉祥寺を出発。成田空港に無事に着いて、フジ茶とも合流して、チェックインを済ませた。荷物を預けようとナルが先導してカウンターへ。でも、そのカウンターは別の会社のだった。慌てて係りの人が飛んできて、「ここじゃありませんよ。あそこですよ」と教えてくれた。自分は気付いていたのだが先生達から「今回のお前の役割はあくまでサブ(サポート)だから絶対に前にでるな。リーダー(ナル)に意見を求められるまでは何も言うな!」言われていたために、取り合えず見守っていた。荷物を預けて終えて、時間があったのでコーヒーショップで時間を潰すことにした。でもナルは緊張していて顔が強張っている。オッちゃんもナル以上に緊張していて、笑いが引きつっていた。他の二人は海外に行く実感がないらしく本人達も驚くほど普段通り。ってか緊張感なさ過ぎ!。自分は心地よい緊張感に包まれて両極端のやつらを見て楽しんでいた。

時間になったので、持ち物検査を受けてパスポートコントロールへ。でも、またナルがハサミを機内に持ち込もうとして係員に止められて時間が掛かった。結局、危険物として箱に入れて預けることになった。自分が「何で要らないから捨てます。って言わなかったの?」ナルが「あのハサミは中学のときから使ってる大事なハサミなんだよ」・・・・・だったら持ってくんなよ!アホ!そんな事が続いてナルの顔が段々青ざめていった。飛行に乗るのにこんなに時間が掛かったのは初めてだったけど、無事に?出国。

バンコクのドンムアン国際空港に到着して今回は何事も無くロビーまで出れた。ケンさんという上田学園でタイ語を教えていたソーパー先生の後輩の方が運転手のエーさんと共に迎えにきてくれてホテルまで送ってくれた。

運転手のエーさん・ガイドのケンさん

左から。フジ茶オッちゃんナル自分

疲れのせいか、全然楽しくなさそう。(笑)

空港を出た瞬間に自分は沖縄に帰ってきた錯覚に陥った。あの熱気と湿度と気温の高さは本当に似ている。車の中から街を眺めながら、街の風景がどことなく沖縄に似ている。やっぱ沖縄は日本ではなくてアジアなんだなーと思った。街を眺めていると兎に角日本の企業の看板が多いことには驚いた。街中日本だらけでコンビにはセブ0イレブン、ロー0ンとかばっかりだった。

ホテルに着いてチェックインを済ませ、部屋に入ってミーティングをする事に。ケンさんとホテルを取って下さった増田さん(某旅行会社のタイ支店のスタッフ)と増田さんお友達を加えて翌日の打ち合わせをして、その日は就寝。疲れたー。

今日がバンコク初日。ガイドのケンさんと共にタイツアーのリサーチをしに街に繰り出して行った。手始めにホテルの調査。勿論ホテルにアポなんて取っていません。飛び入りでホテルに行きました。一軒目のホテルに着いて取りあえずフロントへ。受付のお姉ちゃんに部屋を見せて下さいと拙い英語でお願いして、どうやっても通じないところをケンさん通訳してもらって、OKとの事。フロントで待っているとマネージャーらしき人が来て部屋へと案内してくれました。部屋に入って間取りなどをチェックしながら「予約するならいつまでにした方がいいでえすか?」「部屋の一泊の料金はいくらですか?」などと下手くそな英語で質問しまくりました。マネージャーさんも丁寧に答えてくれました。部屋を見せてもらった後で日本で作っておいた名刺を渡して、マネージャーさんの名刺も貰いました。産まれて初めての名刺交換をしました。ホテルを見終わった後で「あのホテルどうだった?」から始まって「部屋はまぁまぁだけど駅から遠い」とか感想を言い合いました。一軒目のホテルだけでは物足りなかったので、この日はもう一軒見に行きました。そこもアポなしにも関らず快く案内してくれました。

ホテルで交渉中。

部屋を拝見中。

ホテルの後は観光庁に行って資料を集めに行ったけど、日本語の資料なんてもんはホンの少ししか無くて殆どがタイ語か英語。ここに来てやっぱり英語の必要性を痛感させられました。

お昼はデパートの中にあるクーポン食堂で食べました。クーポン食堂というのはは屋台風のお店がワンフロアーにギッシリ軒を連ねている所。現金を食券に替えて好きな食べ物があるお店で料理をゲットして、そこら辺にあるテーブルに座って食べる面白い所。しかも余ったクーポンをレジに持って行くと現金に戻してくれたりする。ここで初めてタイらしい料理を食べた。自分は元々辛いものが好きだから何でもなかったけど、大と藤田には辛すぎたらしくて水をがぶ飲みしていた。

汗だくのフジ茶をよそに平気な顔で食べるナル。

豚の足を売っていたお姉ちゃんたち。

この後は観光したり、バンコクからピサヌローク行きの飛行機のチケットを買いに行ったりと慌しい日を過ごした。

バンコクで調べようとしていた事がケンさんの案内のお陰もあって、前日でほぼ終わってしまった。「さあ。何をしようと?」と皆で話していたら、「やっぱタイと言えばマッサージでしょう!」という事になり、疲れていたオッちゃんを一人残してタイ式マッサージに皆で行きました。ナルがガイドブックで事前に調べておいたお店に着くと、何やら怪しい雰囲気!!!店内が異様に暗い。「ここヤバくねぇー」「ここもしかして変なマッサージする所?」と皆不安げ。店内の様子を外から一応伺いながら、ナルのが持っていたガイドブックをもう一度読み直してみた。うぅ〜ん。ガイドブックによると真ともなお店らしい。覚悟を決めて入ってみることにした。一時間200バーツのフットマッサージのコースを選んで、二階に上がると足を洗う所があり、靴と靴下を脱いで専用の椅子に座ると愛想の全くないお姉さんが足を洗ってくれた。生まれた初めて親以外に足を洗ってもらった。何かくすぐったくて笑いたいのだけど、愛想の無いお姉さんを目の前ならぬ足の前にしてはさすがに笑えなかった。その時の自分の表情を見てみたいものだ。

まるで囚人!?

足を荒い終えて三階に通された。そこも、また何とも言えない不気味な空間だった。何でこんなに暗くしているかが分からなかった。そしてお姉さんが服を持ってきて、これに着替えろと言うので着替えると、ここでもビックリまるで囚人服みたいだった。皆でヒソヒソ話をしていると、マッサージ師が一人ひとりに付いてマッサージが始まると何の事はない真ともなマッサージだった。気持ち良くて眠気も襲ってきたが、マッサージ師のお姉さんが話しかけてくるので、寝る事は出来なかった。つたない英語でお互い話していたのだけど、俺の眉毛を触ってきた「何だろう?」と思っていたら。オカマと日本語で言い出したじゃないか!!訳を聞いてみたら、タイでは眉毛を整えるのは男はオカマとの事。普通の男性はそんな事はしないらしい。隣のマッサージ師も加わってオカマの嵐が俺の眉毛へと降り注いだ。それを隣で聞いていた大がクスクス笑っていた。何事も無くマッサージが終わって店を後にすると、皆で初のタイ式マッサージの感想を話していたら、誰からともなく「フジ茶、何でお前だけが若くて、しかも綺麗な人からマッサージ受けてんだよ」となり、そこで大が「俺だけ男だったし、痛かったぞ」皆で、そんなことを話しながらホテルに帰った。

午後はバンコクを観光。自分と大が買い物をしに。ナル、オッちゃん、フジ茶がムエイタイを見に行った。買い物組みはタイと日本の物価の違いを楽しみながら、交渉して値切りまくって、お目当ての物を買った。値切ると言ってもタイ人価格と日本人価格はハッキリ区別されていたので、タイ人価格に落ちる事はまずなかったけど。ムエイタイ組も会場でチケットを買おうとしていたら、ふっかけられたらしく交渉して三階の安い席のチケット買った見たと言っていた。でも、そこでもタイ人と外国人の席は完全に区別されていたらしい。観光客価格と地元価格とハッキリ分かれていた。まぁ沖縄でもあるくらいだから外国で無い方がおかしいか。

この日は半日寺院巡りツアーに参加する為、朝5時ごろに起きた。皆目を擦りながら準備していたら、大が起こしても起きようとしない。どうやら体調が悪いらしく、仕方なく大を残してツアーに行く事にした。大にホテルの外には絶対に出るなよと言い残して出発。日本語が話せるガイドさんと一緒に寺院を巡った。タイのやたら派手なお寺を見ながら、写真を撮ろうかと思ってナルに「学校のデジカメで写真撮ったら」と言ったら、カメラの本体は持って来たけどバッテリーを忘れたとの事。「なんじゃそりゃ!」マヌケだなぁと思って笑っていた。「それじゃ仕方ない。俺のデジカメで撮ってやるよ」と言って取り出した自分のカメラもバッテリーが入っていない。思わず自分で自分の事を笑ってしまった。フジ茶が持ってきた使い捨てカメラで、ちょこちょこ撮ったくらいで、この日は写真を殆ど取れなかった。

ピサヌロークのとある道

今日は午前中でバンコクとはサヨナラして、この下見の本番とも言えるピサヌロークへ行きます。朝食をホテルのレストランで済ませてホテルをチェックアウトしたあと、荷物を持って空港へ。

飛行機に揺られること約1時間。ピサヌロークに着きました。飛行機から出た瞬間、「何だ!!!この暑さと陽射しの強さは」 バンコクの天気は曇りがちだったので陽射しの強さはあまり感じなかったけど、ピサヌロークは違っていた。雲一つない晴天だった。

空港では上田学園の卒業生の金谷さん(以下・金谷)と彼女のネ-ムさんが迎えに来てくれていた。金谷さんはナレースワン国立大学の日本語課のお手伝いをしている人で、タイに1年住んでいる。自分は金谷と会うのは1年ぶりで、どんう変わっているか楽しみだった。久しぶりに会っての第一印象は「何でこんな暑いのに革ジャン着てんの?」だった。金谷は東京に居るときから革ジャンが好きでよく着ていたけど、まさかタイでは・・・。が、そのまさかだった。勿論、直ぐに着ている理由を聞いてみた。すると「室内では冷房が効きすぎているから、革ジャンが丁度いいとのこと。」あっ!なるほど。しかも革ジャンは通気性に優れているから、あまり熱くないとのこと。

金谷さんとネームさん

金谷と面識があるのはこのメンバーの中では自分と成瀬だけだったので、軽く他のメンバーの紹介をしてから移動しました。移動手段はこの4日間自分達の足になったネームさんのピックアップトラック。クーラーが効いている車内に乗れるのは4人。まず金谷とネームさんが乗るので、残る席は2つ。こんな炎天下の中、荷台に乗るのは「キツそうだな」と思いながらも、車内の席を他の人に譲って荷台に乗ってみました。案の定スゲー暑い。でも車がスピードにのってくると意外と涼しかった。景色はいいし。沖縄でトラックの荷台に乗って遊んでいた頃を思い出していた。

ピサヌローク大学、日本課の先生方との話し合いの時間が迫っていたので、ホテルには寄らずに直接大学に行く事になり、取り合えず荷物を置きに金谷の住んでいる職員寮へ。部屋に荷物を置いて、まだ少し時間があったので部屋で一休み。金谷が飼っているトイプードル「大和」と少しの間、皆で戯れてから大学へ。

皆で車に乗り込んで大学へ出発。ちょっと緊張してきた。ピサヌローク市内から外れると、信号も無い、ただただ真っ直ぐな道が地平線まで続いていた。「これがタイの田舎かぁ」とバンコクとの違いに驚きながら15分が過ぎた頃、大学に到着。驚いたのが大学の敷地がデカイ!!歩いて校内を回るのは無理。大学生はバイクか校内を走る無料の電気バスに乗って移動している。

金谷に案内されながら、日本語課の教職員室に着きました。ここからが、この下見で1番重要で1番緊張する場面。内心「どうなることやら」と思いながら話し合いが始まった。

タイ国立ナレースワン大学

初めに各自が挨拶と自己紹介をしました。そして、タイツアーの趣旨を説明して本題である。日本語課の学生とツアーのお客様との交流をしたいのだけど、それが可能かどうかをお尋ねしました。事前に金谷から話をしてもらっていたので、交流に関しては問題ないけど、「日本語課としては協力できない。」この事も事前に金谷から聞いていたので、問題なし。ただその他に聞かれたのが、万が一ツアー中に事故があって学生に何かあった場合の保障と責任。文化の違いがあるので、お客さんが学生の心を傷つけないか。身だしなみの事等を聞かれました。日本で話し合いのシュミレーションをしている時に多分聞かれるだろうな。と思っていた事を全部思いっきり聞かれました。これ等の事は自分達だけでは判断出来なかったので宿題として日本に持ち帰らせてもらいました。

話し合いの後は日本語課の3年生に大学を案内してもい。大学内にある生地の博物館を日本語で案内してもらいながら見て廻っているとタイの歴史にまつわる物が展示されていました。学生がモジモジしていたので「日本語に訳すのが難しいのかな?」と思って聞いてみたら、何の事はない彼らも展示物にまつわる歴史をしらないとの事。「やっぱり万国共通で若者は自分の国の歴史には疎いのか」と思わず笑っちゃいました。博物館の係りの人がタイ語で説明して、それを学生が簡単に訳してくれるという感じで廻わり、最初のうちは一応ちゃんと説明を聞いていたのですが、途中からだんだん飽きてきて学生と他愛も無い会話をしていると、係りの人が「やれやれ」という感じで気だるそうに説明を終えるとっとと事務室に帰って行ってしまいました。博物館の最後の部屋を出ようとした時、土足禁止の部屋に堂々と靴を履いて入っていた人に学生が気付きました。それは何とオッちゃんでした。皆から「ダメじゃん!」とか言われてバツか悪そうなオッちゃんの様子を見て皆笑っていました。

タイの学生。左から「ヌム、メム、エックス、ベンズ」それと成瀬と白井


その後は学生と一緒に電気バスに乗って大学構内を見て廻りながら、大学の広さに驚くと共に校内にある巨大な池や気持ち良さそうな木陰で戯れている学生を見ながら、学生と話をしているとバスが止まり学生が乗り込んでこうようとした時、自分たちがバスに乗っていることに学生が気付き慌てて乗るのを止めてしまいました。どうやら日本人が5人も乗っているバスに乗るのは気恥ずかしい様です。

大学見学の後で金谷、ネームさんと合流して、大学の学食でお茶する事に。テーブルに座ってペプシを飲みながら話をしていると学生の一人、メムちゃんがタイの餅入りアイスクリームをご馳走してくれました。さすがタイ!!めちゃくちゃ甘い!こんな甘い物は久しぶりに食べた。タイは辛くも無い普通の食べ物もあるみたいだけど、やっぱり主力は激辛か激甘な食べ物らしい。どうにか食べ終えて、学生とはここでひとまずお別れ。明後日、スコータイに一緒に行くことを約束して記念撮影をして別れました。
自分達は学生と別れた後、ピサヌロークでの宿であるホテルへ。ホテルに着くと待ち合わせをしていたチャンタナー先生が出迎えて下さいました。取り合えずチェックインを済ませて、ホテルのロビーでチャンタナー先生を交えてタイツアーの話し合いをしました。色々ととても為になるアドバイスをして頂きました。話に学長や元副学長の様な蒼々たる人達が出てきたので、内心緊張が増しながら話を聞いていました。そうこうしている内に金谷の部屋に預けておいた自分達の荷物を運んできて、話に加わりチャンタナー先生とタイ語でなりやら挨拶を交わしていたけど、さっぱり分かりませんでした。話が終わってチャンタナー先生の妹さんのやっているレストランに行く事に。

レストランではチャンタナー先生が色々注文して下さって、タイの各地方の料理が運ばれて来ました。この頃にはタイ料理の味にも大分慣れてきていたので自分はパクチー(匂いのキツイ香菜)葉を丸ごとバリバリ食べては美味いとか言っているのに周りの奴らはパクチーに関してはノーコメントだった。チャンタナー先生から「ビールを飲みませんか?」と嬉しいお誘いがあったにも関らず今回は旅を通しての禁酒令が出ていたので、丁重にお断りしました。あー残念。自分達がタイに来た事がとても嬉しかったらしくチャンタナー先生は終始、笑顔で食事を楽しんでいました。そんな楽しい食事が終わり何と先生が食事をおごって下さるとの事。ちょっと気が引けたけど今回はお言葉に甘える事にしてホテルに帰りました。ホテルまで車で送って下さった先生とお別れして、部屋に帰って金谷達を加えて明日の打ち合わせを軽くして解散しました。

この日はホテルや、その他ツアーに必要な情報を得るためにピサヌロークの街に金谷とネームさんを加えてリサーチへ。初めにTAT(観光庁)に行って、ホテル、祭り、観光地などの情報を得ようと頑張ってはみたものの上手く英語が通じない。うーん。困った。自分達以上に受付の人が混乱していた。そこでネームさんに通訳してもらうことに。ネームさんが通訳してくれて、一番助かったのは何を隠そう、受付の人に違い無い。ネームさんがタイ人だと分かると受付の人は「コンタイ」(タイ人)と言って満面の笑みを浮かべてほっとした様子だった。その後はスムーズに会話が進んで情報をゲットしてTATをあとにした。

ピサヌローク市街

駐車場とお寺の間にあり出店

ロウソクを立てているところ

タイで最も美しい仏像

 

ツアー本番でも行くつもりのタイで最も綺麗とされる仏像があるワットヤイ(寺)に行くことに。ワットヤイに着いて駐車場からお寺までの間に色々な物が売られていた。皆で何が売られているのだろうと話ながら見ていた。

お寺に着くと、ネームさんがお参りする作法を教えてくれた。最初に寄付して、そこで蓮の花、金箔、線香、ロウソクを受け取る。一・ロウソクに火をつけて立てる。二・線香を立てる。三・仏像にお祈りをして金箔を仏像に貼る。四・お寺に入ってもう一度お祈りをする。

お寺に入ると日本にはまず無い派手もいいところの金ピカの仏像がどんっと腰を下ろしていた。皆がそれぞれのお祈りを終えてとき、目の前で地元の人が木の箱をしゃかしゃか振っている。「なんだありゃ?」と思って聞いてみたら。タイのおみくじだと言う。面白そうなので皆でやることに。見よう見まねでしゃかしゃか振ってはみるものの意外と難しい。箱の中には何本もくじが入っていて、その中から一本だけを振り落とすのだが、慣れないと2,3本出してしまう。ようやく一本だけ出すことが出来た。くじは勿論タイ語で書かれているので、ネームさんに訳してもらった。がしかし、全然良くない金谷とネームさん以外はほぼ全滅。とほほ。悪いくじを引いた人は持って帰らないで木箱に入れてそこでサヨナラです。良いくじを引いた人は大切に持って帰る。いいなぁーあの二人・・・。

 

川辺のレストラン

ホテルと交渉中!

川辺のレストランで川から吹いてくる風を受けながらの昼食。なんて贅沢な時間なんだろう!!時間も気にすることなくのんびりゆっくりと。レストランもそれを知ってか知らずかゆっくりと料理を出してくれた。この旅も終盤になって皆もタイ料理に慣れてきたのか美味しそうに食べていた。 食事の後はホテルのリサーチへ。勿論アポなんてものは取っていない。直接ホテルに行って「ツアーの下見に来ているから部屋を見せて下さい」とお願いするだけ。でもタイに来て運が良いのは知らないけど、まだ一度もホテル側からNOと言われていない。その勢いで、この日も四つのホテルを見て回った。どこのホテルも突然の申し出にも関らず快く部屋を見せて下さった。これがまたヨーロッパとかだと、こうは上手くはいかないのかも。部屋を見せてくれるのはありがたいのだけど、ピサヌロークは田舎とういうこともあって英語が中々通じない。でも人間追い詰められたら、どうにかなるもので、身振り手振りお互いが必死になって伝えようと思うと不思議な事に案外通じるもんだね。

この日やることが終わったのでナイトバサールへ。若者向けに洋服やアクセサリーなどが売られていた。自分はここでジーンズを買っちゃいました。一通り見終わったので、軽く「空飛ぶ野菜炒め」を食べようということになった。「空飛ぶ野菜炒め」というのはその名の通り中華鍋で炒めた野菜を空に放り投げて、投げられた野菜炒めをお客さんキャッチして食べるというちょっと変わった料理屋さん。そこでフジ茶が挑戦見事キャッチした。でも、皆は思いっきり失敗してくれるのを期待していただけに。帰ってきたフジ茶に「つまんねーよ」と罵声を浴びせていた(笑)

少しだけお腹も膨れたので、場所を変えてちょっと食べ物をつまむことになりミルクバーに行った。ミルクバー??皆さん「ミルクバー」と聞いて何を想像します?ミルクにお酒が入った物を出すバー?いえいえ。本当にミルクを出すバーなのです。種類が沢山あって日本でいうスターバックスのミルク版みたいなものです。このミルクバーはオープンエアーで夜空を見ながら美味しいミルクを飲む。何とも不思議な感覚でした。でも楽しかったし、本当に美味しかったです。これを日本でやったら本当にうけるだろうと本気で思いました。ミルクを飲んでお腹がいっぱいになったので今日はこれで解散です。

 

スコータイの公園のチケット売り場

今日は朝から、ツアー本番でも行く予定の世界遺産があるスコータイへ。9:30にホテルのロビーで、今日一緒にスコータイに行ってくれるタイ人の学生たちと合流。少し遅れて金谷とネームさんも合流。合わせて11人の大所帯で一台のワゴン車に乗り込んでイザ出発。ピサヌロークからスコータイまでは車で片道約1時間半。その間ギュウギュウ詰めの車内は話をしたり、写真を撮ったり、日本語で尻取りやったりと皆で楽しんでいた。

スコータイに着くとまず最初に自転車を一人一台借りました。(世界遺産がある公園内はとても広いので徒歩で見て回るのはまず無理)チャリに乗ってすぐの所にスコータイ遺跡の博物館があったので入りました。スコータイ出身の学生が何やら事前に歴史を調べてきたらしくて、皆に説明してくれました。でも、やっぱり日本語が難しいらしくて時々頭を抱えながら学生同士で「00って日本語でなんて言うの?」と話していた。博物館に入って一番驚いたのが職員らしい子連れのオバさんが素手で展示されていた遺跡を扱っていた。しかも、たまに遺跡を床に落としていたし。「これがタイなのか!!」と思った瞬間だった!

博物館を出て、チャリで公園のチケット売り場に行ったときのこと。タイ人は入場料が10バーツ。日本人は30バーツ。それを聞いて学生が「全員タイ人です」と言った。そう言っているすぐ後ろで自分たちは日本語で、しかもかなり大きな声で話していた。「いくらなんでも駄目だろう」と思っていたらあっさりOK!!完璧にバレてはいたけどね(笑)やさしい受付のオバちゃんだった。

世界遺産を巡りながら話をしたり、写真を撮ったりと完璧に遠足状態と化していた。金谷が変な「写真を撮ろう」と言ってきたので皆で撮る事に。こんな写真。(何故か大が写っていない。変わりに大が持っていた団扇が写っている)

金谷の提案で首だけ出してみました。

 

遺跡を歩いて見て回って、チャリを止めてあった場所に戻ってみると金谷のチャリがボロイチャリにすり替えられていた。チェーンはすぐ外れるし、自転車自体も小さいので乗りにくい。「誰だ?チャリ持っていったのは?」と思っていたら、どうやらさっきすれ違った小学生の団体の奴らしいとなり。皆して追っかけるみた。小学生の団体に追いついたはいいけど、どれが金谷のチャリがわからない。仕方ないから諦めた。結局、金谷は最後までボロイチャリを乗る羽目に。

 

遺跡を見て回ってお腹も空いたので、公園内の食堂で昼食。金谷に勧められて食べた赤い変な味付けがされた麺入りスープが変に記憶に残っている。味は上手いとは到底言える代物ではなかった。

公園内の食堂。

公園内の風景

車に乗って公園から少し離れた大仏を見に。着いたら学生が大仏の説明をしてくれた。「この大仏絶対俺達のこと見てるぜ」と思うくらい迫力と貫禄を持った大仏だった。

アチャナ仏。高さ18m。

☆一点集注☆

全員で円を描いて

大仏を見終えて、その辺でフラフラしていたら、また金谷が「変な写真撮ろうぜ!」と言ってきた。「どんな写真だよ」と言いつつ、みんな笑いながら「ああだ。こうだ。」と色々なポーズを提案してしてきた。それで結局やったのはの二つ。どうしてかは知らないが皆円くなって寝てみた。もう一つは「あっUFOだ!」と言わんばかりに一点を見て撮った。この写真を撮っている最中は勿論、自分達とは関係のない人達も周りにいたんだけど、「なにやってんだ?この人達?」と不思議そうな目で見ていた。あのときは結構浮いた集団になってしまっていた。(笑)写真を撮り終えワゴンに戻る途中で誰かが「ワゴンまで競走だ」と言って走り出した。しかもビリになった人は「オカマ」ということになり、みんな本気で走った。ビリになった大は皆から「オカマ」「オカマ」の洗礼を浴びていた。ワゴンに着いて、みんな息を切らしていると、後ろの方で何やら騒がしい。「何だろう?」思っていたら、チケット売り場のオバちゃんが怒って声を張り上げている。どうやら、ここの入場料を払わないで走って逃げていると思ってらしい。それを知って自分達は大爆笑。慌ててオッちゃんとメムさんが入場料を払いにいった。

ワゴンに乗ってスコータイを後にした。「学生が近くに滝があるから行こう」と言うので行ってみた。車で1時間程で到着。しかし、ここも入場料がいるらしい。しかも高い。残念だけどちょっと高過ぎたので止めにした。時間も迫ってきていたので、このまま帰ることになった。学生を寮まで送って、日本から持って来たお土産を渡して彼らとは別れた。

ホテルに戻った自分達はサムローンツアーに参加した。“サムローン”という飾りを付けをした人力三輪車に2人ずつ乗って夜のピサヌローク市街を1時間かけてのんびりと観て回った。町をサムローに乗って回っていると地元の人たちが声を掛けてきてくれる。でも恥ずかしくて初めのうちは顔を上げられなかったけど、慣れてくると逆に手を振ったりして答えていた。1時間ほど涼しいタイの風を受けて昼とは違う夜のタイを満喫した。サムローンツアーの途中で立ち寄った虫のお店でサソリ、芋虫、イナゴなどを生まれて初めて食べた。でも意外とサソリなんかは海老のシッポみたいで美味しかった。

寝起きの成瀬の頭に二匹のサソリを乗っけてみました。

サムローンに乗ったときから酒臭かった運転手さん。

サムローンツアーの後は皆でタイ風焼肉を食べに行った。そこは食べ放題で66バーツ。(約200円)ドリンクは別だったけどビビるくらい安かった。しかも味もいけてた。何故かは知らないけど、このお店は肉を焼く鉄板がすき焼きも出来るようになっていて肉を焼きながら、横で別の肉をしゃぶしゃぶ!なんか変な感覚だった。

焼肉としゃぶしゃぶが出来る不思議な店。

 

ピサヌローク最後の日。この日は朝ゆっくり起きて、帰り支度をして12時頃にホテルをチェックアウトした。その後すぐに金谷が来てくれて一緒にホテルの車でナレースワン大学へ。全員、大学の食堂で昼食を食べた。物価が安いタイの中でもさすがに学食だけあって一段と料理の値段が安い!麺のスープが一杯15バーツ(50円)位だった。金谷に色々と教えてもらいながら皆それぞれ好きな物を買って食べた。自分は金谷に勧められて、変てこな色のジュースに挑戦。飲んでみたらもの凄い味。日本ではまず味わえない程の甘さだった。強いて言えばコーラに砂糖をスプーン5杯位入れた甘さ。「よくこんな甘い物をこっちの人は平気で飲むなぁ?」と思いながらちょびちょび飲んでいたら、意外と辛いスープに合うじゃあないですか!辛い物と甘い物は意外と合うことに気付いた。

食事を終えて金谷は仕事に。自分達は飛行機の出発までに時間があったので大学周辺を散策。一番暑い時期はもう過ぎているにも関らず兎に角暑い!少し歩くだけでヘトヘトになる。100m歩くのに日本の3倍の体力を使う。途中で寄ったコンビに(セブンイレブン)で大とフジ茶がジュースを買って飲んでいた。でも何か騒いでいたので行ってみると、ジュースの中にアリが浮いている。しかも1匹や2匹じゃない。数十匹は浮いていた。皆は笑っていたけど、二人はブツブツ文句を言いながらジュースを捨てて「損した。何だよ」とボヤいていた。

日本の漫画を売っている本屋があったので、入ってみた。凄い量の日本の漫画がタイ語に翻訳されて売られていた。大が数冊お土産に買った。その安さに二人とも驚きながら「タイってホント安いね」とか話していた。お金を払ったときにレジの女の子が「住所を書いて」とのこと。何か変だなとか思いながらも書いてその場を後に。

後で分かったことだけど、その本屋は漫画を売っているのではなくて、漫画をレンタルしているお店らしい。「なるほど!だからあんなに安かったわけね。住所も書かされたし」飛行機の時間が迫るなか漫画を慌てて返しに行った。(笑)

大学に戻った自分達を前日スコータイに一緒に行ってくれた学生さんたちが校内をまた案内してくれることになった。学生さんたちが「何をしたいですか?」と尋ねてきたので「何処か面白い所はありますか?」逆に聞いてみた。学生さん同士でなにやらタイ語で相談していた。「医学部に行きましょう」と言って来たので悪い予感はしたけど「まさかね」と思い付いて行った。広い大学の校内を電気バスで移動して医学部に着いた。階段を上って着いた先は。悪い予感的中。そこは予感通り“検体”の真っ最中!!!みんなビビリまくり。学生の一人が見学してもいいか聞きに教室の中に入って行った。先生と思しき人と一緒に学生が出てきた。あっさり見学OK!!!ただし写真は撮らないで下さい。とのこと。(言われなくても誰も撮りません)「どうしょうか?」「折角だから見ようか!」「絶対嫌だ」皆それぞれ興味のある奴、嫌がる奴。見たい奴だけ見に行くことになった。他の奴は教室の外で待つことに。興味津々の自分は先頭に立って隈なく見て回った。医学生の中で日本に遊びに行ったことがある学生がいて、検体の最中にも関らず話しかけてきた。そこでお互いに自己紹介なんかをした。「何でこんな所で自己紹介してんだ俺?」とか思いつつも世間話をしていた。見学が終わって「気持ちわりー」とかいう奴もいれば「面白かった」という奴もいた。

大学の中で休憩できる場所があったので、そこでお喋りをした。その後は大学の近くで金谷、ネームさん、学生さん達と最後の食事をした。食事にだけ来た学生さんもいて小さいレストランはさながら貸切状態。皆でワイワイガヤガヤ最後の時を楽しんでいた。あっという間に時間は過ぎて空港に行かなければ行けなくなった。学生さんたちにお礼を言って見送ってもらった。

大学校内の休憩場

ピサヌローク最後の夕食を食べたレストラン

空港までは金谷、ネームさん、ネームさんの友達に送ってもらった。空港に着いたらチャンタナー先生が持っていて下さった。先生にこの旅でお世話になったお礼を伝えて、そして11月にはお客さんを連れてまたピサヌロークにくることを約束して、皆に見送られて飛行機に乗った。

たった3日しか居なかったけど、チャンタナー先生、金谷、ネームさん、そして学生さんたちにとても良くして頂いたせいなか、飛行機の中で涙が込み上げてきた。その瞬間寂しさが襲ってきた。「絶対、11月はツアーでまた来るぞ」と心に決めた。

ドンムアン国際空港を経由して日本への帰路についた。

無事にタイから帰国。成田空港でお互いに「お疲れ!」と声を掛け合って、それぞれの家に分かれて帰った。たった1週間しか日本を離れていなかったけど、すごく久し振りに帰ってきた感じがした。空気の匂いの違い、人々の話している言葉の違い、日の光の違い、そんなことを感じつつタイでの1週間を思い出していた。たったの1週間だったけど自分はタイが大好きなりました。

 

お詫び。

03年の7月にタイツアーの下見の報告を書き始めてから早、7月間が過ぎてしまいました。初めのうちはすぐに全部を書き終える予定でしたが、こんなに時間が掛かってしまいました。楽しみに更新を待っていて下さった方々には大変申し訳ないことをしてしまいました。すみません。

03年11月の「ふれあいタイツアー・友達になろうタイと!」の報告ページは現在更新中です。是非ご覧下さい。

知花 貫徹 

04年2月5日