2008年5月29日(木)

 

覚えている言葉

 

以前大学にいた時に、ある女の子からこう言われたことがある。(はっきりとは覚えていないが、だいたいこんな意味だった)

「八巻さんって、じっくり考えてらっしゃるんですね。私は自分の興味にそってあちこちいってしまうので、見習いたいです。」

言われた当人は、「そう?」という感じだった。でもそう言われたことを何となく覚えていたのは、天真爛漫だった彼女が、率直に私のことについて言ってくれたからなのかな、と思う。

別の女の子からは「達観してる」と言われたこともあった。いやー、さすがにそれは自分でもビックリだった。けど、そうやって言われたことを思い出すと、ちょっと変わった人に思われていたんだな、と今更ながら思う。

そうそう、これも大学時代だったが、他人の失敗を見て思わず笑ってしまい、同窓生から注意されたこともあった。笑い上戸な私は、結構不謹慎な場面でとっさに笑ってしまうことがある。いけないことであるのは自分でもわかっているが、そういう時にちゃんと注意してくれることも、ありがたいことだ。

話は打って変わって、今年の1月に研修旅行で行ったドイツ。ここでは、2人のお客さんから、「もっとリラックスしなさい。」と言われた。私は、研修旅行は前年不参加で初めてだったこともあり、とても緊張していた。その姿を見て声をかけてくださったのだと思うが、複数の方からそう言われたこともあって、「緊張しすぎてるんだな。」と素直に思うことができた。

こうやって、いくつか他人から言われて覚えている言葉を書いたのは、忘れないうちに記録しておこうと思ったからである。でもこうやって書いているだけでも、いろんな人からたくさんのものをもらってきたんだな、ということがわかる。ちょっと視点を、私の背中にあるピアノの当たりにずらすと、自分だって他の人から見れば、多かれ少なかれ、影響を与える存在なわけだ。襟を正さないとである。

それにしても、そうやって言われたことは覚えていても、自分が発した言葉なんて、本人は何にも覚えていない。他の人もそうなのだろうか。そうすると、自分の言葉は他人に残り、その一部はまた他の人に受け継がれていく、ということになるのだろう。巡り巡って…。

 

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