ここ数日、少しイライラしている。といって、別に暑さのせいではない。
イライラの源は、なかなか自分の思い通りにいかないことにある。例えば、自分がやっている宿題がどれだけできるかどうかは基本的に自分自身の問題なので、それでイライラしても自分が未熟であると思わざるを得ない。しかし、他人の言動なんかは、自分がどうにか頑張って解消できるという問題ではない。(伝え方が下手で他人にうまく伝わらない、などといった問題はありますが。)そこからイライラしてしまった時は、なかなかおさまらないものである。イライラが抑えられない自分に気づき、そんな自分にイライラしてしまうこともある。こんなふうに書いていて思うのは、ということは今はあまり余裕がないのかな、ということだった。
そんな風にイライラしながら、今日ホームページに書くネタを考えていた昨日の夜に、9月に公開になる映画『イントゥ・ザ・ワイルド』のホームページを見つけた。悪いことは重なるもので、見てみようと開いた予告編映像が重くてまたイライラした。しかし、お金や人生のレールを捨ててアラスカへと旅立った若者の話ということで興味を持った。そして約1年前にした一人旅を思い出した。
広島、京都、名古屋をそれぞれ1日ずつ見て周り、すべてバスで移動した。たった3日間だったので、プチ一人旅といったところだ。行く前日に唐突に一人旅することを決めて、インターネットでバスの予約をして新宿からバスに乗った。
思えば、あの時はとてもイライラしていた。ちょうど井の頭のゾウのはな子の還暦祝いで、私たちが作った映像作品が上映された直後だった。達成感はあったけれど、「このままダラダラと後期に入りたくないな」という思いがあった。少しでもいいから日常から逃げ出したかったのだと、今にして思う。そう考えると、旅の動機はとても俗的だったのだが。
日常と違う場所で、“何か”を自分の目で見たい、という思いは、どんな旅にも共通するもので、旅の醍醐味でもある。イライラを消化できない中で、ふとそんな旅のことを思う、そんな夏の夜であった。