2008年10月9日(木)

 

のだめカンタービレ

 

今年も夏が過ぎた。

この夏に、今更ながら気づいたのは、今まで”夏休み”という言葉を、その字義通りに捉えていたということだった。本当は”学校がない期間”であるだけで、別に何かやりたければ、”休む”必要はない。そんなことに、この年になってようやく気づいた。

ところで、先週、遅まきながら実家へ帰省した。3日間の短い帰省だったが、グダグダしている間に、ゲラゲラ笑いながら、家に置いてあった「のだめカンタービレ」を読みふけった。弟が数年前の正月にこの漫画を買ってきたときに読んだり、テレビドラマを途中まで見たりしたことはあったが、それ以来の再読であった。

コーラスを3年間やっていた身としては、音楽は懐かしい世界である。一生懸命練習して、ステージに立って歌って…。それはそれで楽しい日々であった。その時に指揮者やピアニストの先生を見ているので、少しは漫画の世界をイメージすることもできる。

しかし、”プロ”ということになると、音楽の世界も話は変わり、厳しい世界になる。音大では、誰もがプロになりたいと願っても、実際になれるのはほんの一握りだけ。それでも自分を信じて、一心不乱に練習し、勉強する。でももちろん、いい時も悪い時もあるわけで、、そういう時には精神的にも影響されてしまう。

そんな風に考えると、コメディでありながら、漫画の世界が儚く、切なく感じられるようになる。学生である自分の境遇を思うと、身につまされてもくる。あまり漫画の読書量が多くない私であるが、読んでて笑ったり、切なくなったり、身につまされたり、こんなにいろいろと味わうことができた漫画は初めてだった。

こんなことも、今更ながら経験したことの一つである。

 

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