先週火曜の夜、みんなで卓球をやってご飯を食べて帰ったら、同居人の立川さんから思わぬ話があった。
「インドの総理大臣が日本に来てて、明日総理大臣が参加する会議で緊急にプロジェクターがいることになったんだって。それで上田学園のプロジェクターを貸してもらえない?」何でも、仕事でお付き合いがあったインド人の方から、そんな話があったらしい。翌朝、上田学園の前でそのインドの人たちと待ち合わせすることになった。
次の日、朝7時に行ってみると、もうインドの方たちは学校の前で待っていた。すぐにプロジェクターを車に乗せて、目的地であるフォーシーズンズホテルへ出発した。
主にインド人のカプールさんと立川さんが話しをする中、車は通勤ラッシュの東京を走り、8時半ごろホテルに到着。やはり総理大臣が来ているだけに、ホテルには多くのインド人がいる。ホテルに入って案内されたのは、インド大使館勤務と思われる方たちが忙しく立ち働いている一室だった。窓の外からはホテルの庭が一望でき、パソコンに窓に貼られているたくさんの書類。映画の世界にありそうな光景が目の前にあった。完全に部外者の立川さんと私は、プロジェクターを手にして、しばらくすることもなくその光景を眺めていた。
カプールさんがインド大使館の人と話したり、プロジェクターのテストをしたりしてかなり待った後、プロジェクターを使う部屋に案内される。部屋に行く前にボディチェックを受け、少し廊下で待った後に部屋に入る。すると、インドのメディア・チームの人たちがいた。どうやら、プロジェクターに写る原稿をインドの総理が読み、演説する首相をビデオに撮影するらしい。用意ができて、プロジェクターをセットする。学校のものはあまりケーブルが長くないので苦労したが、どうにかOKをもらった。この時、すでに10時をまわっていた。セッティングが終わった所でお役御免ということで、私は一人先にホテルを後にした。緊張しっぱなしだたtので、とにかく疲れた。帰り道はこの出来事を思い出しながら歩いたが、さすがにおわったばかりではあまり実感が湧かなかった。
ところで、本当に必要だったのはプロジェクターではなく、“プロンプター”だったらしい。オバマ氏やマケイン氏などの政治家が演説する時や、テレビのキャスターがニュースを読む時に使うものだ。しかし、それを言われたのが前日の夜だったため、わけもわからずカプールさんが探していた所に、立川さんに話がいった、という流れだったらしい。プロジェクターだったら、インド大使館にもあったそうだ。
…やれやれ。しかし、まわりまわって話が来た私にとって、これが貴重な経験になったことは確かである。そして、上田学園のプロジェクターも、”インドの総理が使ったプロジェクター”という思わぬ箔がついた。