2009年1月8日(木)

 

年頭所感

 

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。


去年はいろいろあったはずなのだけれど、”こんなことがあった!”という風に印象に残った出来事はあまりなかった様な気がする。これは、行雲流水などと意識するようになったからなのだろうか?それとも忘れっぽくなったからなのだろうか?

そんな最近で、去年12月に印象に残った言葉があった。

文学の授業で、境さんが坂口安吾の作品を読んで述べた感想、「(坂口安吾は)病んでいる」だった。
その言葉を聞いたとき、私はふと思った。「この人が病んでいるのなら、俺も病んでいるな」と。そう思えたら、他人とうまく話せなかったり、生きているのがつらいと思ったりといった、私の負の性格を許すことができた気がした。

昔は記憶力が良かったので、今まであった出来事を記憶しておかなくては、と思っていた。勉強したことを覚えているのはもちろん、誰がどこでどういうことを話したかということも、はっきりと記憶しようとしていた。とても記憶を重視していた。

ところが、学校に行かなくなって漢字を忘れるようになったり、もの覚えが悪くなって忘れっぽくなったあたりから、どんなことも記憶しなくては、という意識は薄らいできた。授業で脳を調べていく中で、忘れることも大事だということがわかったのも大きかった。

そうすると、去年印象に残る出来事がなかったからと言って、落胆する必要はないように思える。万物は流転するのに、自分の頭にだけ記憶が残っているというのも変な話に思えてくる。

また新しい年になった。今年もきっといろいろなことがあるだろう。これからも、去年後半からずっと意識に置いている”流れる”ことを忘れずに、日々精進していきたい。

 

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