2009年2月18日(水)

 

ブレーキ

 

私は感情的な人間である。

そう書くと、私を知っている大半の人は驚くのではないかと思う。私は長年、いつも仏頂面であまり感情を表に出さない、謎の人と思われてきたのだから。

でも昔からそうだったわけではない。子供の頃は近所の友達と普通に遊んでいたし、小学校でサッカーをやっている時には、しょっちゅう口を出して仲間からなんやかんや言われたこともあった。たまたま勉強ができてしまったので親は傲慢になることを心配して、よく私に「謙虚になりなさい」と言ってたという。

小学校高学年から、自分をコントロールすることを意識し始めた結果、いつしか心にブレーキをかけるようになった。怖がりだった私は、コントロールするはずがしょっちゅうブレーキを踏むようになってしまい、ブレーキが強くなりすぎたまま大きくなってしまった。そしてひきこもった。

ひきこもっていた大学時代は、ご飯を買うために夜中コンビニへ行って、それ以外ほとんどの時間はゲームをしていた。ゲーム依存症は弟の提案で無理やりゲームを引き離すまで続いた。つらい時期だったが、自分の依存症的な体質を知る機会になった。

リサーチの授業で脳を調べるようになった。脳科学の本を読んでいると、人間が感情的であるのは当たり前のように思えてきた。好きだという感情が記憶の一番のエンジンであることや、敵に出会ったら逃げなければならないのだから、恐怖は原始的で重要な感情であるということもわかった。

だから、怖がってブレーキを踏んでいた私は感情的だったということになるのだろう。それがわかると、今までの私の人生は無駄じゃなかったんだなと思えてきて、なんかホッとした。これからはそんな私の感情を、もっと明るくなれるように、上手に愛でていきたい。

 

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