個々が気に入った灯篭を買い、灯篭にお金を入れ、
水の精霊に感謝と願いを込めて流します。
私たちの流した灯篭がゆらゆら揺らめきながら
流れていき、それをじっと目で追います。
不思議な気持ち。
心が軽くなり、体から重たい何かが流されていきます。
思わず学生達と「良かったね!」と言葉を
かわしました。
タイ人の学生も、日本人の私たちも
何が良かったのか説明できない不思議な
感覚に包まれながら。
そして、他の方たちが流す灯篭を眺め
ながら場所を移動。
今度は空中へ、あちらこちらからコーム・ロイと呼ばれる
小さな熱気球が上がり始めました。
私たちも、タイ人の学生に頼んでコーム・ロイを買い求め
二組に分かれ、
「皆が幸せでありますように」
「病気で来られなかった学生が早く元気になりますように」
と、コーム・ロイに願いを込めて準備しました。
皆で気球の下をもち、ローソクで火をつける。
だんだん気球が膨らんでいく。
「まだです! まだです!! 」とつたない日本語で指示をして
くれるタイ人の学生の言葉に従い、
完全に気球が膨らむまで、待つ。
そして「行きましょう!」という学生の合図で、
空に向かってゆっくり気球から手を放します。
気球がゆったりと月や星を目指してあがっていく。
誰の口からも言葉がでない。あるのはただただ
神聖な気持ちにさせてくれる静かな空気だけ。
色々なところから気球があがっていく。
追いつけ追いつけと私たちの気球もあがっていき、
そして点になる。
息をつめて目で追っていた私たちの誰かが大きく息をはく。
その音で全員が我に返るように、
お互いの顔を見合わせました。
「あげてよかった!」という思いで。
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