日本じゃありません。アメリカの話です。
数日前、普段見ているサイト廻りをしていたら、アメリカの俳優オーウェン・ウィルソンが自殺未遂か?というニュースに出くわしました。家族に発見されて病院に運ばれ、幸い命に別状はなかったとのことです。
たぶんこの人、あまり日本ではなじみがないかもしれませんが、例えばジャッキー・チェンの「シャンハイ・ヌーン」「シャンハイ・ナイト」で相棒を務めていたり、ベン・スティラーの映画「ミート・ザ・ペアレンツ」や「ナイト・ミュージアム」などに出ていたりします。コメディ俳優、ということになるでしょうか。
個人的には、私が好きな映画監督ウェス・アンダーソンの盟友であることで、その名を知っていました。彼の全作品に出ていますし、(私は彼の作品でしか見ていません。)3作目までは共同脚本もやっていました。もともとは脚本家志望だったようです。いつも強烈なキャラクターを演じていて、彼の映画には欠かせない人です。
彼のそんな不満のなさそうなキャリアからは、自殺する理由は考えられません。ただ、付き合っていた彼女とは最近別れていたようで、その彼女の新しい恋人との写真が最近ゴシップ誌に載っていたようです。それを見て、衝動的に自殺を図ってしまったのでしょうか…。
と不謹慎にも思ってしまうのは、彼が出演し、共同脚本も書いている映画「ロイヤル・テネンバウムズ」に似たようなシーンがあるからです。それは、登場人物のリッチー(演じているのは彼の弟、ルーク・ウィルソン)が、義姉のマーゴにひそかに恋心を抱いているのですが、その彼女が奔放に男遊びをしていたのを知って、衝動的にカミソリで手首を切って自殺しようとする、というシーンでした。オーウェンも手首を切り、錠剤を飲んで自殺を図ったらしく、なんかその場面が浮かんでしまいます。銃が自由に手に入るアメリカでその方法を取るのだから、繊細な人なのかもしれません。
そういえば「ライフ・アクアティック」のメイキングで、オーウェンは「どこか不安定な人の方が演じやすい」と言ってました。共演していたビル・マーレイは、「彼は考えが読めない」と言ってましたね。そんな不安定な、感情をぶっ放すようなところがありながら、どこか影もある、そんな不思議な魅力がある人です。しかし、今回はそれが悪い方に行ってしまった、ということになるのでしょうか。人は本当に傍目ではわからないものだとも思いますが、元気になってまた復帰してほしいです。
それにしても、9月の終わりにはウェス・アンダーソン監督で、オーウェン主演の映画「The Darjeeling Limited」が公開されるという時期だったのになぁ…。なんか、やるせないです。