早いもので、今日で5月も終わりである。
学校の中でも、日々のニュースの中でも、いろいろあった5月だった気がする。
ニュースを知って、あとでいろいろ考えたことは、会津の高校三年生の母親殺害事件である。
自分自身、それほど遠くない所の出身であるし、いろいろ思うところがあった。
数年前、所は違えど、私も公立のその地域の進学校と呼ばれる高校に通っていた。しかも、そんなに友達がいたわけでもなかったし、学校ではだいたい一人でいて、授業を受けて帰っていただけだった。
暗かったし、学校が心から楽しいと思える場所ではなかったことは確かだった。状況だけ考えれば、母親を殺してしまったその少年と近かったのではないか、と我ながら思ってしまう。
特に私はそんな状況だからと言って、何かとっぴもないことをしようと思っていたわけでもないし、彼がどうしてそんなことをしてしまったのかはわからない。わからないけれど、学校の空気なんかはなんとなく想像することができるし、状況は似ているし、「自分も違う道を歩んでいれば、ああなったのかも。」そう思えなくもない。
でも違ったこともある。彼は家を離れて下宿暮らしをしながら、高校に通っていた。私は高校には、自転車で30分くらいかけて通っていた。家に帰れば、家族がいたわけだ。
決して高校に行くのが楽しかったわけではない。それでもなんとか行くことだけはやめずに高校に行き続けて、卒業し、大学に行った。もし、家族と一緒ではなく、一人で高校に行くことになっていたとしたら、不登校になってたかも…。考え込まずとも、そう思える。
やってしまったことは、どうしようもない。彼もこれから一生、この事件のことを償わなければならないと思う。その事件から、「そんな暗かった高校生活も、幸運なものであったんだな。」ということに気づかされた。誰かとつながりを感じられることというのは、大事なんだなと思う。